米国在住 JUNICHI さんからの特大レポート!

ドメスティックパートナー

アメリカの現状

JUNICHI 13MAR02

 
 

 ワシントンポスト紙のビジネス欄にこんな記事が出ていた。

※どうでもいい個人名は迫力を出す為に日本名に変え企業・会社名は応援をしないといけないので実名で行く事に決めました。(以下、わかりやすくするために、翻訳部分は青字で表記しました)

【企業負担健康保険の変化・より多くの企業がドメスティックパートナーもカバー】

 伊藤悟さんと簗瀬竜太さんはドメスティックパートナー(法的に結婚不可能な愛する同居人)。伊藤さんの働くソフトウエアーAG社には健康保険制度があり、簗瀬さんの働く会社にはその制度はない。
 伊藤さんは「竜太は病気になってもかなり悪くなるまで医者に行かないんだ」と嘆いてたところ、伊藤さんの会社にドメスティツクパートナー(同性あるいは異性両方とも)も加入できる保険制度が導入された。「もしパートナーの竜太に何かが起こってもこれで心配しなくてすむ」。 37歳になる簗瀬さんを好きな(LOVE ではなくてLIKEと書いてある)伊藤さんは語る。 ソフトウエアーAG社のこの新しい方針はワシントン近辺、あるいはアメリカ全体の企業の新しいトレンドを示している。

 10年前まではドメスティックパートナーに対する特典はまだ少なかった。 今年は6つに1つの大企業がこのシステムを導入しているとウイリアム・M・マーサー・コンサルティング社の調査にある。 多くの企業が健康保険補助をカットしようとしている中でガネット社はこの制度を今年の1月から導入した。 マーサーの調査によると500人以上社員がいる企業の16パーセントがこの制度を導入している。去年は12パーセント。 2000人以上の社員がいる企業は去年の24パーセントから26パーセントと増えている。
 2800社に対しての調査では企業は退職者に対する健康保険補助を打ち切ろうとする傾向にある。 6年前までは41パーセントの大企業が退職した人に対してその権利を提供していたが今年は23パーセントに落ちた。 去年は26パーセント。 「これからはどうなるのか?」と聞くとマーサーの主幹である新井敏之は「これからはますます減っていくでしょう」と言う。 国内の保険の掛け金の標準はは一人当たり去年の4430ドルから今年は4924ドルと年々上昇している。 ワシントン近郊の大企業54社を例に取ると去年の5031ドルから今年は5728ドルと上がった。ほとんどの企業は社員にも掛け金の一部の支払いを義務づけている。今年に入り多くの中小企業は保険の控除額を250ドルから500ドルに引き上げた。調査では大企業の10社につき4社が社員に対する保険金の負担を将来引き上げる傾向にあると出ている。
 新井氏は上記の様な現実に対して「ドメスティックパートナーに健康保険の権利を与える制度は、これからますますレベルの高い雇用を維持する為の重要な鍵となり、増えていくだろう」と語る。 「この制度がなぜ重要かの本当の理由は自分の会社がよりリベラルな制度を従業員に与えているという企業同士の厚生制度の競争もあるが、それぞれの企業は自分の会社がいかに多様性(DIVERSITY)を重要視しているかを宣伝したいんだ。こういった権利の必要性が従業員にあり、その権利を与えれば、生産性もあがり従業員のモラル意識も上がると言うもんだ」。

 ガネット社の所有するUSATODAY(アメリカで唯一の全国版新聞紙)社は、従業員がトップマネージメントにこの権利を与えるようにと長い間プレッシャーをかけつづけてきた。 USATODAYのリポーター高橋タイガは「私の会社は1995年からこの制度を取り入れました。ゲイとレスビアン、それにこの制度に感心のあった数人のヘテロセクシァルな従業員が集まって会社のトップに請願書を書いたんです。色々な噂はありましたけど何も実行されそうな気配はなかった。時期が早すぎたと言う声も聞かれた。コストに関して、自分の性癖をあからさまにする事に関して、大きなディベートが起こった。現実に会社側がこの制度導入をOKした時は皆驚いた。その驚きは嬉しい驚きだった。ガネット社の判断は正しかったんだ」。

 伊藤悟さんはソフトウェアーAG社の決断に喜こんではいるが「ドメスティックパートナーの特権を収入として税務署に申告しないでも済むなら助かるんだがナー」と言う。「 非常に不公平だ」。バージニア州でパートナーと住む彼は「もし州政府が同性の結婚証明さえ出してくれればこの問題は解決する。もう8年半も一緒に住んでる。全く結婚してるのと同じ状態なのにバージニア州はゲイの結婚を認めようとしない。 結婚している連中は我々よりずっと多くの税金控除がある」。

 新井氏は「税金の為にこの制度に入らない人も出てくるかもしれない。でもこの制度を採用する会社は増えていくだろう。なぜ? 従業員の会社側に対しての要求が年々増え続けているからさ」と答えた。

 実際ドメスティックパートナーの具体的な権利とはどういう物なのか、どうしたらその権利を手にする事が出来るかを、あるアメリカの大企業の実例を見てみたい(社名は都合により出せません)。
 アメリカは何でもかんでも数字にする事が好きな国だ。白書があるからこそ不景気からの立ち直りも早かったのかもしれない。経済誌フォーチュンでは専門家が選んだ雇用希望が多いアメリカのベスト100社とか、マイノリティーにやさしい会社ベスト100など毎年ランキングを発表している。多くの企業はその仲間入りをしようと必死になっている。http://www.fortune.com/sitelets/navigation/listlinks.html ディズニーやマイクロソフト、アメリカンエクスプレス、IBM等がドメスティックパートナーの特典を同入したパイオニアといえるだろう。
 紹介する会社は、アメリカに本社があり世界のいたるところに支社がある(日本にも)が、現在ドメスティクパートナーの特典があるのはアメリカとニュージーランドとカナダのみである。それが会社の規定であったとしても国によって、あるいは州によって認められない事もある。 このアメリカのサイトは “ドメスティクパートナーの特典のサイトへようこそ”で始まる。


 以下のインフォーメーションはUS国内で給料を支給されてる従業員のみに対する物です。
  当社は従業員の多様化をサポートするために社の方針としてドメスティクパートナーの特典を提供しています。現在配偶者に提供している健康保険、その他の福利特典と同様の権利が同性のドメスティクパートナーも受ける事が出来ます。医療保険、歯の保険、生命保険、障害保険、ペンションプラン、もしパートナーと法的に結婚可能なのにそれを選ばなかった人に関しては、生命保険のみが適用されます。 これらの特権を得るには従業員本人とパートナーとの関係の法的な証明の提出と特別な条件を満たす事が必要です。詳しくは提出していただく誓約書をご覧ください。

 ペンションプランとは国で積み立てるソーシャルセキュリティ、日本で言えば国民年金とは別な、個人で積み立てていき退職後に毎月受け取れるお金。アメリカでは日本のように退職した時に大金が払われる制度はなく、その代わりペンションマネーが月々死ぬまで支払われる。この社は定年制度は無いが55歳から退職すればペンションとソーシャルセキュリティが毎月支給される。ソーシャルセキュリティが出るのは62歳で、満額が支給されるのは70歳からだが、55歳からでも小額ながら受ける事が出来る。ソーシャルセキュリティに関してはこの会社が62歳になるまで国の肩代わりをして支払ってくれる。 この会社は医療保険、歯の保険、ペンションの積み立ては全額会社持ち、ソーシャルセキュリ−ティは本人持ち、生命保険、障害保険は従業員と会社と半々の支払になっている。アメリカの多くのリタイアーした人はペンションとソーシャルセキュリティの支払、そしてエンロンで有名になった401Kの貯蓄等を元に生活している。

 誓約書(これは公証人のサインとスタンプが必要で、これを貰うには自分は神にかけて嘘を言ってはいないと誓わなければならない)の重要な部分を書いてみると・・・
1. 18歳以上である事
2. 社会的、経済的に連体した責任がある事。その証拠として、以下の書類の中で2つ提示が義務づけられている。
A.連名の家のローン、あるいは賃貸の証明書。
B.生命保険のある場合はドメスティックパートナーが受取人 になっているという証明書。
C.遺書がある場合も同様。
D. 財産証明がある場合は50パーセント以上がドメスティックパートナーに与えられると言う公的な委任状。
E.会社から給料が直接振り込まれる銀行の連名口座。
3. 一緒に住んでいる事。
4. 親密な関係にありこれからもその関係を保ちたいと希望し、他にはそういう関係を持つ人はいない事。
5.血縁関係が無い事。
6.独身である事。
7.自分の住む州では二人は法的に結婚できない事。

 そして別れた場合は会社に30日以内に知らせるという誓約もサインしなくてはならない。別れを通知した場合は、6ヶ月経つまで新しいパートナーの登録は不可等と言う考え込んでしまうような内容もある。誓約書は書いてある事に嘘があった場合は解雇の対象になると言う言葉で終わっている。

 ワシントンポストで話題になっていた税金に関してはこんな事が書いてある。
 税務署は税金に関して、ドメスティックパートナーに対しては結婚している人々とは同様に扱ってはいません。ドメスティックパートナーの特典は収入とみなされます。医療保険、歯の保険、生命保険等の会社負担分は従業員の収入とみなされます。税務署への年間収入明細に給料以外の収入として記載されます。従業員がドメスティックパートナーを扶養家族と申請した場合は、結婚している人達の配偶者と同様な金額が支払われます。
 アメリカの多くの企業は毎年個人個人に収入白書を発行してくれる。これには保険等給料以外に会社側が個人に支払った全ての金額、本人の負担した全ての金額、ペンション、ソーシャルセキュリティの何歳でリタイアーしたらいくら貰えるか等の明細が書かれていて、リタイアーの計画には重要な書類だ。もし自分がドメスティックパートナーを申請した場合どの程度収入を上乗せしなければならないか計算してみた。生命保険、障害保険、によると、2000年度の場合、会社側が払った医療保険、歯の保険の総額は2276.74ドル。生命保険と傷害保険のトータルは218.40ドル(自分の給料から差費引かれた合計は503.04ドル)、ペンションが1321.26ドル、合計3816.30ドルを年間の収入に加算し税金の申告をしなければならない。お互いの心の安心を考えれば躊躇する額ではないと思う。

 いつになったら日本にもこういう制度が当たり前であるような時代が来るのでしょうか? 税金とは煎じ詰めれば自分の人権を守る為に払っているのだと思う。すこたん企画さん、マイノリティがマジョリティよりでかい顔が出来る国になるよう一緒に頑張りましょう。

JUNICHI 13MAR02

 

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