米国の新しい養子法は
同性カップルが親になるのを促進する

by Nick Konishi

 
 

 Families Like Ours(アメリカ・シアトルに拠点を置く、ゲイやレズビアンなどが養子を受け入れることを推進する非営利団体)は、ブッシュ大統領が12月2日に署名した、政府が養子縁組を奨励する措置を拡大した新しい養子法への支持を表明した。

 「全体的に、今回の養子法の拡大は、ゲイやレズビアンの家庭を含め、どんな家族構成であろうと、より多くの養子が迎え入れられる助けになるであろう」と、Families Like Oursのデイビッド・ウィング=コバリック代表は語った。

 1997年に制定された養子法によると、州での養子の総受入数が前年より上回った場合に限り、超過分の養子1人辺り4000ドルが州に支給される。新しい養子法は、これに付け足して、州が養子受け入れの最終的な目標人数を達成した場合に限り、9歳以上の養子1人につき4000ドルが州に支給される。

 ブッシュ大統領は、「1998年から2002年のたった5年間で230000人もの子どもが養子にだされている。過去10年間に養子にだされたのとほぼ同じ人数だ」と述べた。

 「ブッシュ大統領は、養子受け入れの政策に関しては非常にうまい対処をしている。この法律によってより多くの養子が新しい親に受け入れられるだろう。同時により多くのゲイやレズビアンの家庭が、養子を取るようになるかもしれない。長期的に見れば、現在不調であるフォスター・ケア制度(養子や里親による子どもの養育制度)を活気づけることにもなりえる」と、ウィング=コバリック代表は述べた。
「しかし、これは最終的な目標養子受け入れ人数を達成している州にのみに提供される補助金なのだが、ほとんどの州は基準を満たしていない。さらに、予算の削減と超過勤務の続くケースワーカー等の問題に対しては、何の対処もしていない」と、さらに付け加えた。

 エバン・B・ドナルドソン養子縁組研究所によって行われた調査によると、既に公的な養子斡旋組織は、以前よりも83.3%も高い確率でゲイやレズビアンの家庭に子どもを託している。10月に同協会が調査した結果によると、この調査によると、斡旋機関の60パーセントが同性カップルであることを公表している応募者からの申請書類を受けつけており、40パーセントが実際に同性カップルに養子縁組を取り持っている(この調査についてはこちらをご覧ください)。

 ブッシュ大統領は、同性婚には強い反対を表明しているのにも関わらず、彼の指揮する米政府は、ゲイやレズビアンが家庭を築きあげるのを手助けする機関のことを容認している。

 11月に、米国保険社会福祉庁長官トミー・トンプソン氏は、ゲイとレズビアンが養子をとることを活発に推進している、Child Welfare League of America(アメリカ児童福祉連盟)、Pennsylvania Statewide Adoption Network(SWAN:ペンシルバニア州養子斡旋ネットワーク)や、California Association of Adoption Agencies(カリフォルニア州養子斡旋機関協会)の会長であるフランシーズ・ジョーニーズ氏などを、とりわけて称賛した。

 共和党系の同性愛者の政治組織、ログ・キャビン・リパブリカンズのマーク・メッド氏は彼のグループは、新しい養子法に満足していると語った。

 しかし、どんなに前進的な州においても、ケースワーカーの中には伝統的ではない家族に養子をだすことは不適切だと考える人もいる、とウィング・コバリック氏は言う。いくらかの州では、ゲイやレズビアンの家庭に養子をだすことに対しての差別を禁じるための条例が制定された。たとえば、ニューヨーク州、ニュージャージー州とカリフォルニア州は前進的で、公的な養子斡旋組織が性的指向を根拠に養い親を拒否することを違法としている。

 現在、全米で500000人以上もの子どもがフォスター・ケア制度の対象となっていて、そのうち126000人が養子になるのを待っている。ゲイやレズビアンのカップルを含んで、実際に養子を受け入れる家庭は増えているのだが、養子を受け入れる用意がある家庭の数は減っている。

翻訳&記事の解説:Nick Konishi
(Nick Konishi:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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