サンフランシスコ市同性婚許可〜その後・3
裁判所は、結婚許可書発行停止緊急命令は出さず

 
 

 サンフランシスコ上級(控訴)裁判所判事ロナルド・クアイダチャイ氏は、20日・金曜日の午後、市当局が同性カップルに結婚許可書を発行するのを止めるために保守的なキリスト教のグループ「カリフォルニア家族キャンペーン」がおこしていた訴訟に対する聴聞(17日にロナルド判事が指示)を行い、その結果提訴者が求めていた発行停止要求を拒絶した。

 訴えた「カリフォルニア家族キャンペーン」に対して、ロナルド・クアイダチャイ判事は、同性婚によって回復不能な損害を引き起こすことを証明できなかったので、緊急(結婚許可書発行停止)命令は出せないが、市当局が州法を犯しているという彼らの議論に関して、さらに聴問会で主張できる権利があると述べた。また、決着がつくまで、市当局は結婚許可書を発行し続けることができるとも言明した。

 同日の法廷での聴聞で、「カリフォルニア家族キャンペーン」は、2000年の「提案22」(こちらを参照)が婚姻を男女間に限るという意味において、住民投票で61%に支持された事実をあげ、同性婚はその61%の投票者たちを傷つける、と主張した。

 しかし、ロナルド・クアイダチャイ判事は、サンフランシスコでこの9日間に結婚した数千組のゲイ/レズビアンのカップルの権利に、より重きを置いたようだ。ロナルド氏は、「もし法廷が権利の重みを量らなければならないとしたら、投票権のことばかりではなく、平等権も考えなければならない」と述べ、上記のような結論を出した。

 市当局の弁護士テレーズ・スチュワート氏は、保守派2団体が緊急命令を出させることに失敗したことで、展開が有利になると判断している。「2人の裁判官は、同性愛者の結婚を認めることで傷つく人はいないと、正確な事実認識をした」。

 ロナルド・クアイダチャイ判事はまた、市当局・全国レスビアン権利センターラムダリーガル全米市民自由連合から出されていた、「カリフォルニア家族キャンペーン」と「提案22を護り教化する基金」(こちらはジェームズ・ウォーレン判事担当)との訴訟を一本化して扱う、という要求を認めた。一本化された訴訟をふたりの判事のどちらが扱うかは未定である。いずれにせよ、3月29日に次回聴聞会が開かれる(先週「提案22を護り……」担当のウォーレン判事が決めた日程)。

 各LG団体は、この決定を喜んでおり、サンフランシスコの法廷が結婚許可書を発行し続けていいと何度も宣言したことを、肯定的にとらえている。そして、究極的には、カリフォルニア州憲法が、同性カップルに結婚に関する平等な権利を与えられるかにかかっている、と考えている。20日のロナルド判事のコメントでは、ギャビン・ニューソム市長が許可書発行の根拠を州憲法に求めたことと発行手続きが合法であるか、については言及されていない。こうした問題が今後2ケ月の間に論議されることになろう。

 昨日19日、サンフランシスコ当局が、カリフォルニア州と、保守派2団体(「カリフォルニア家族キャンペーン」と「提案22を護り教化する基金」)とを提訴した件についてはまだ進展がない。

 しかし、アーノルド・シュワルツネッガー知事は、サンフランシスコ市がしていることは違法であると断言する判決を得るために、司法長官ビル・ロキヤーに対して、州のトップクラスの弁護士に直ちに準備に入らせるよう指示した。さらに、法制度の遵守の重要性を説き、司法長官が、サンフランシスコ市と郡に州法に従うことを求める法的措置をとる権限を持つことを強調した。

 しかし、ロキヤーは、知事には司法長官に命令する権限がないと指摘して、知事に反撃した。「シュワルツェネッガー氏は、ハイウェイパトロールを指揮することができる。『ターミネーター4』も指揮することができる。だが、司法長官に何をすべきか命じることはできない」。さらに、サンフランシスコで進行中の同性同士の結婚は整然と行われていて、公的な安全を危険にさらしていない、と付け加えた。民主党員のロキヤーは次期知事選を意識している、と見るものもいる。

 そして、ターミネーターを非難しているのはロキヤーだけではない。

 サンフランシスコ市長ギャビン・ニューソムのスポークスマンは、すでに2人の裁判官がLGの結婚する権利に反対する2団体の緊急命令要求を退けたことをあげて、シュワルツネッガー知事の指令をあざ笑った。「何千人もの人々が愛し合う関係にあり、それが初めて認められたというのが真実だ。知事に直接そうした人たちに会って確かめてほしい」。

 金曜日の朝、サンフランシスコのギャビン・ニューソム市長は、平等化委員会をリードしているキャロル・ミグデンと、19年間続いている同性のパートナーである弁護士クリス・アルゲダスとの結婚式の司会をつとめた。

 その他、カリフォルニア州選出の2人の上院議員(ともに民主党)が、サンフランシスコ市当局に反対の姿勢を示したことに、今まで2人を支持していたゲイ/レズビアンが反発したり、25人ほどの反同性愛者のグループが、サンフランシスコ郡の役所を取り囲み、郡保安部員が排除するまでLGグループとにらみ合う(逮捕者はなし)など、様々な動きがおこっている。

 20日の金曜日に行われたカリフォルニア州の世論調査によれば、同性婚支持が44%で反対が50%だった。しかし、この4年間、反対者の率が変わっていないのに対して、支持者の率は上昇し続けていて、4年前に比べて6%も増えている。サンフランシスコ・ベイ・エリアでは、全ての回答者の58パーセントが、同性婚を支持している。

翻訳&記事の解説:伊藤

 

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