全米TVネットワークFOX
同性愛者中傷番組の放送中止

by 石田

 米FOXテレビは、放送を予定していた“Seriously, Dude, I'm Gay”(本当のところ、おれはゲイなんだ)という問題になっていたリアリティーテレビ番組(役者が演じるドラマではなくて、一般人の現実の様子やプライバシーを撮ったホームビデオで構成される低予算のテレビ番組)を放送予定日から2週間を切り、急遽中止にすることを決めた。

 5月27日の報道発表の中で、「中傷と戦うゲイ・レズビアン同盟(GLAAD)」は、26日に予定されていたFOXテレビ社長ゲイル・バーマンとGLAAD側の代表者との間での会談の数時間前にその番組の放送中止がすでに決定されていた、と語っている。GLAADの代表者らは問題のテレビ番組の事前上映を見て、その番組を「組織だった屈辱行為」と呼んでいた。

 当初は6月7日に放送を予定されていたこの2時間番組は、2人の異性愛者である男性参加者が50,000ドルを懸け、友達や家族、恋人に自分が同性愛者であると信じ込ませる、という内容。そして、同性愛者の審査員により、どちらの男性がよりゲイらしいかを判定されることになっていた。5月初めのFOXによる「異性愛男性にとって最悪な悪夢:一晩中ゲイになる」といったような番組紹介は多数のGLBT視聴者と擁護者から反感を買った。このプレス・リリースに関しても、FOX側は謝罪した。

 「今回の正しい決定により、FOXテレビは多くの信頼を得るに値する」とGLAAD代表ジョーン・ギャリーは放送中止について語った。「FOX側は未放送番組を収録したテープを我々に提供してくれたばかりか、我々の大きな懸念に対し信じられない程丁寧に対応してくれました。彼らは会談する機会を作るため我々と協力し、その会談に先立ち番組を棚上げにしてくれました」。

 伝えられるところによれば、その番組の参加者男性はゲイのルームメイトと一緒に生活したり、他の男性とブラインドデートに出掛けなければならなかったようだ。元のレスリングのチームメートに「汗くさい男性と密着して接触できるからレスリングが好きだったんだ」と言わされた者もいる。この経験に対して「人生最悪の悪夢」や「ゲイの地獄に閉じ込められた」などと述べた、参加者たちの発言に注目してほしい、とGLAADは指摘している。

 FOX側は、GLAADに対して、GLBTに関する表現をするにあたって、より広範な協力も求めた。「今回の件は、同性愛をテーマとした番組を制作する他のテレビネットワークにとっての手本となるべきだ」とギャリーGLAAD代表は語る。「そのような番組は細心の注意をもって制作されるか、あるいは初めから作るべきではないのです」。

翻訳&記事の解説:石田 京介
(石田 京介:カナダ在住/翻訳スタッフ)

 

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