性同一性障害特例法が施行
虎井さんら当日に家裁に申請

 7月16日、性同一性障害特例法が施行された。この特例法は与党プロジェクトチームによる議員立法で、昨年の通常国会で成立、1年後のこの日、施行となった。

 これにより、性同一性障害を持つ人が一定の条件を満たせば、戸籍の性別が変更できるようになった。その条件は、2人以上の医師が性同一性障害と診断していることを前提として、(1)20歳以上(2)結婚していない(3)子どもがいない(4)生殖機能を失っている(5)性別適合手術を受けた[注]、となっており、家庭裁判所の審査を経て認定される。経済的あるいは健康上の理由で性別適合手術が受けられない人や、結婚して子どもをもうけた人が対象外になるので、数千人いるとされる性同一性障害の人たち全てが変更できることにはならない。したがって、この条件の中で、特に(3)などには批判も多く、3年をめどに見直すことが付則に盛り込まれている。[注;正確には、「変更後の性別の性器の部分に近似する外観を備えている」]

 戸籍変更請求の受付は、同日、全国の各家庭裁判所で一斉に始まった。この日申し立てたのは、当事者の自助グループ「FTM日本」(またはこちらもご参照下さい)を主宰する作家の虎井まさ衛さんをはじめ、約十人。タレントのカルーセル麻紀さんも含まれている。米国で女性から男性への性別適合手術を受け長年、戸籍の性別変更を求め運動してきた虎井さんは「肩の荷が半分下りた。戸籍が変われば、ようやく一般の人と同じ生活が送れるようになる」と語った。戸籍変更に伴い、旅券や住民票等の公的文書の性別も変更されるので、就職や医療面での不自由が解消され、変更後の性で婚姻届も出せるようになる。

 なお、これを機に、宮城県仙台市が、各種申請書など公文書の様式について、全面的な見直しに着手した。性同一性障害の人たちが、記載するときに苦痛を感じる場合もあるという「性別欄」を可能な限り削除するのが主な目的だ。市はさらに、個人情報保護の観点から、ほかに不要な記載事項がないかどうかも検証を進めている。

 11日に投開票された参院選でも、市選管が配布した投票所入場券に関し、これまで投票区、選挙人の名簿番号などと並んで設けられていた性別欄が、今回から削除された。これは、今年2月の定例市議会以降準備を進めていたものである。市文書法制課は「氏名や住所、性別などの記入や表示は従来、当然とされてきたが、本当に必要なのか吟味しなければいけない。性別記載に違和感を抱く市民がいるなら、可能な限り性別欄を削除したい」と話している。

記事のまとめ:伊藤

 

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