ジャマイカの警察がゲイへの憎悪事件で
人気のレゲエ歌手を事情聴取

by ワタル

 ジャマイカで最も有名な歌手の一人である ブジュ・バントン(Buju Banton)は、キングストンで起こったゲイ男性らへ残忍な暴行に加担したとして告発された。

 警察によると、バントンは武装した十数人とともにホモフォビック[同性愛嫌悪的]で侮辱的な言葉を吐きながら家に押し入り、そこの住人に暴行をふるった。この事件後、数人が病院に運ばれたが、命に別状はなかったとのこと。

 自らの歌“Boom Boom Bye Bye”で、拳銃で頭を撃ってゲイ男性を脅すと歌うバントンの姿は、数人の目撃者によって確認されている。現在警察では、とりあえず彼を事情聴取することにしている。

 世界規模で人権を守る活動を展開している団体「人権ウォッチ」では、バントンが起訴されないのではないかと危惧している。

 「ジャマイカでは、今回バントンが加担した事件よりさらにひどいゲイ男性への襲撃事件が起こっても、警察が無視するという悪循環が出来上がっています。たとえ彼の名声や被害者の名が汚されることがあっても、警察による公正で徹底的な捜査をすべきです」と「人権ウォッチ」のレベッカ・シュレイザーさんは話す。

 イギリスの同性愛者の人権団体、「アウトレイジ(Outrage!)」は、バントンや同性愛者への暴力を(音楽を通じて)擁護する他のレゲエ歌手に対するキャンペーン活動を始めた。

 「これで、暴力的な音楽と同性愛者に対する実際の暴力行為に繋がりがあるという私たちの主張を実証することができます。このキャンペーンに批判的な人々は、彼の歌詞のホモフォビックな内容は『皮肉』または『単なる空想』だと主張していましたが、今回の事件で、彼は現実の暴力事件に関与したことが明らかになったのです」と「アウトレイジ」のスポークスパーソン、ピーター・タッチェルさんは述べている。

 先月、ゲイへの暴力や殺人を歌うビーニーマン(Beenie Man) という別のジャマイカ人歌手がロンドンで行う予定だったコンサートは、キャンセルされている。

 彼の曲では、歌詞の中に、「私は新しいジャマイカを夢見ている。すべてのゲイを処刑するという夢だ」と歌う部分がある。

 このコンサートは、ジャマイカで最も著名なゲイの活動家、ブライアン・ウィリアムソンさんが残虐に殺害された事件から2週間経たずして、キャンセルが決定した。

 ウィリアムソンさんの遺体はキングストンのアパートで帰宅したルームメイトに発見され、彼は血の海の中にうつぶせになって倒れていた。首には何箇所もの刺し傷があった。

 ジャマイカでは同性愛者のセックスは違法であり、禁固刑と重労働の刑が課せられる。

翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:埼玉県在住/翻訳スタッフ)

 

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