米国ニューヨーク州
ドメスティック・パートナーシップ制度利用者にも
入院中のパートナーに面会する権利を認める

by Nick

 ニューヨーク州上院は、ドメスティック・パートナー制度を利用する同性愛者、異性愛者のどちらにも、入院中のパートナーに面会することを許可する法案を8月12日(木曜日)に満場一致で可決した(投票総数59のうち賛成票59、反対票0)。6月3日にもニューヨーク州議会で、同様の法案がほぼ満場一致で承認されている。パタキ州知事が法案に署名をし、法律が実際に施行されるであろう、と考えるオブザーバーも多い。

 この法律は、ニコラス・スパーノ同州上院議員が立案したものだ。既婚未婚に関わらず、「ドメスティック・パートナーシップ制度利用者に入院中のパートナーに面会することを許可する方針を定めること」が同州の全医療施設(病院だけではなく)において義務付けられる。

 配偶者のような立場として、緊急治療室(ER)で、集中治療室で、そして面会時間を過ぎてから面会する権利を勝ち取ることは、ここ何十年かのレズビアン/ゲイ・コミュニティが掲げる目標でもあった。エイズがアメリカで流行りはじめてから、同性愛者はパートナーの死の直前でさえも医療施設にいるパートナーを訪れることが許されない、ということがほぼ当たり前だったからだ。

 法案は、具体的にドメスティック・パートナーを以下のように定義している。(1)公式にドメスティック・パートナーシップ、または同様のパートナーシップ制度に参加する契約を互いに結んだ者。(2)自分以外である他人の被扶養者手当、または健康保険の受益を実際に受けている者、または受益する権利が認められている者。(3)自分以外の他人に扶養されている者、または相互扶養している者。
 法案には、相互扶養を証明する方法が記されている。

 法案には、以下のようにも記載されている。
「配偶者と近親者に面会の権利が認められていることと同様、いかなるドメスティック・パートナーも自分のパートナーに面会する権利を拒絶されてはならない」。

 議会で法案を起草したのは、ニューヨーク市のデボラ・グリック民主党議員で、「病院に入院中のパートナーを『法的に結婚していない』という理由で面会を拒絶することは、彼らの関係を法的に無視している、ということになります」と語った。

 さらにグリック議員は、なぜこの法案を通すことが重要であると感じたのかを概説しながら、以下のように文書で発表した。
「ドメスティック・パートナーは、結婚している夫婦と同じく、お互いに深くかかわり合い責任を果たしあっています。パートナー同士の関係性は有意義なものであるのにもかかわらず、一般の夫婦が保障されるような重要な利益の多くを受けられないでいます。ドメスティック・パートナーシップ制度を利用する何十万人ものニューヨーカーにとって、法的な結婚という選択肢はありません。『結婚した夫婦が授与される権利をドメスティック・パートナーには認めない』ことで、法律は、それぞれの最愛の人と合法的な関係を持つことを不可能にしています」。

 今のところ、ニューヨーク州でドメスティック・パートナーに入院中に面会する権利が認められているのは、ニューヨーク市の市営病院とウェストチェスター郡の公営、私営病院だけである。

 「Empire State Pride Agenda (ESPA:ニューヨーク州・ゲイプライド政策会議)」のアラン・バン・カペル代表は、「パタキ州知事が法案に署名することで、全てのニューヨーク市民の権利を擁護するようなリーダーがここに存在する、という証明になります」と述べた。

 さらに、カペル代表は法案が上院で可決されたすぐ後に次のように語った。
「ニューヨーク州にとっても州在住のGLBT(ゲイ/レズビアン/バイセクシュアル/トランスジェンダー)の人々にとっても、今日は歴史的な日です。ニューヨーク州が結婚防衛法(結婚を異性間に限定し、他州で同性婚が合法化されても無視できる)に参加していないたった10州のひとつとして残っているとともに、ニューヨーク州の立法機関は、GLBTの家族を保護するための大きな進歩を遂げました」。

 3月にESPAによってニューヨーク州全土で行われた世論調査によると、85%ものニューヨーカーは、入院中のパートナーに面会する権利を同性カップルにも拡大することは重要だ、と回答している。同調査によると、医療における意思決定、配偶者用の健康保険のような権利を認めることに関しても同様に高率で好意的であるという。

 なお、異性間の夫婦の場合は、結婚許可証を受け取り次第、自動的に州ベースの権利と義務700項が与えられ、その中に配偶者の入院中の面会についての記載がある。

翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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