米国11州の住民投票で同性婚禁止が承認される

by ワタル

 11月2日の火曜日に、大統領選挙とともに行われたアメリカ各州の諸選挙において、同性婚を禁止する州憲法修正案が、住民投票にかけられた11州全てで承認され、アメリカに住むLGBTにとっては手痛い敗北となった。

 今回、この反同性愛の法案が承認されたのは、アーカンソー、ジョージア、ケンタッキー、ミシガン、ミシシッピー、モンタナ、ノースダコタ、オハイオ、オレゴン、オクラホマ、ユタの各州。

 様々なLGBTの団体が今回の法案に対し精力的な反対運動を行ったが、承認を阻止することはできなかった。「人権キャンペーン(HRC)」では、これらの法案などに対し全国規模の運動を展開し、650万ドル以上を選挙戦に投資した。

 「人権キャンペーン」の会長、シェリル・ジェイクスさんは、平等への道のりから後退したことを認めながらも、LGBTのコミュニティに失望しないよう呼びかけた。「私たちは一番重要な世論法廷での前進を目指しています。11州で憲法修正案が承認されましたが、61%のアメリカ人は同性カップルを法的に認めることを支持しています」と水曜の朝の電話会議で説明した。

 法案の支持者は法案がこのまま行くと予想しているが、ゲイの人権活動家(アクティビスト)らは、ジョージア、オハイオ、ミシシッピー各州の新しい修正案に対して法的訴訟を起すことを考えている。

 LGBTの団体にとって最も痛手だったのは、おそらくオレゴン州で法案が承認されたことだろう。法案を阻止できる可能性が一番あると思われていただけに、残念な結果となった。

 「合衆国憲法は、多数派のほんの気まぐれによってマイノリティ(少数派)の権利が侵害されないように、きちんと作られています。単なる多数決による投票で憲法を修正し、マイノリティの権利を否定しようとする考えはばかげています」と「"No on Constitutional Amendment 36"(憲法修正案36条に反対する)キャンペーン」の代表、アイスリン・コグランさん。

 今回の憲法修正案の内容は州ごとに異なっている。オレゴン、ミシシッピー、モンタナ州では同性婚のみの禁止だが、その他の州ではシビル・ユニオンも禁止になる。

 オハイオ州の法案は最も厳しいものとなった。同性婚とシビル・ユニオンを禁止するだけでなく、全ての未婚のカップルのいかなる法的身分をも認めない。また、未婚のカップルが共同で養子を引き取ることも禁止となる。

 アナリスト(関係専門家、解説者)は、今回のオハイオ州の法案が、ドメスティックパートナーの保障制度を持つ民間企業や大学にも影響するだろうと分析する。そのため、多くの団体や政治家は修正案に反対している。優秀な人材を確保するのが困難になり、すでに停滞しているオハイオ州の経済に追い討ちをかけるとの危惧があるからだ。

 これら反同性愛の修正案は、多分にマサチューセッツ州における同性婚の進展に起因している。昨年の州最高裁での判決により、マサチューセッツ州は同性婚を認めた最初で唯一の州となった。

 今回の憲法修正案を承認した州のほとんどではすでに同性婚を禁止する法律があるが、反同性愛の団体は州憲法を修正することで、マサチューセッツ州であったような裁判判決を阻止できるだろうと考えている。

 今年始め、ミズーリとルイジアナ州では同様の法案を住民投票で承認したが、ルイジアナ州の法案は専門的な問題により裁判で却下されている。

 その間にも、人権活動家らはカリフォルニアやニュージャージー州で婚姻権の訴訟を行っており、最高裁が同性婚を認めてくれるよう期待している。

 反同性愛の団体は、今回11の州で法案が通過したことで歓喜に沸いている。
 「国民は圧倒的に同性婚に反対しました。これから政治家や判事の方は、この結果を理解し、重く受け止めてほしいと思います」と保守派の活動家、ゲイリー・バウアーさんはAP通信のインタビューに答えた。

 社会的公正を推進していた団体では、今回、州憲法に差別的内容を付け加える決定を下した有権者に失望している。
 「自分たちの関係が尊重されないと様々な危害を被ります。そして、これからもそういった関係が尊重されないことになるのです」と「ケンタッキー州・全米市民自由連合(American Civil Liberties Union of Kentucky)」のべス・ウィルソンさんは話す。

 ゲイの人権団体は今回の痛手から立ち直ろうとしており、平等の権利をあきらめない決意を新たにした。
 「アメリカのGLBTとその支持者はいまだかつてないほど結束しています。戦いの初めから、長い道のりになることはわかっていました。これからもあきらめずに献身的に活動していきます。たとえ困難なときでもアメリカは様々な問題に取り組み、最終的には公平な判断を下してきました。私たちもこの誇らしい伝統を踏襲するつもりです。歴史は私たちに味方してくれるでしょう」とジェイクスさん。

翻訳&記事の解説:ワタル
(ワタル:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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