カナダ最高裁、同性婚を認可

by Nick

 予想されていた通り、カナダ最高裁は連邦政府(オタワ)に、カナダ議会は国家全体レベルで結婚の再定義をする権利があるとし、結婚を二者間の連帯と定義することは憲法に違反していない、という判断を述べた。

 これはカナダ政府から最高裁に提出された「4つの質問」に答えた「勧告的意見」で、「判決」ではない。今回の「勧告的意見」では、「結婚の法的定義は時代ごとの世論に応じて変化する」と前置きし、その上で「数世紀前、結婚は異性間のものと理解されていた。だが、カナダのいくつかの州や欧州の二つの国で同性婚が認められ、今日、その考えは正しいものとはいえなくなった」と指摘、議会に結婚の再定義を委ねた。「カナダは多様な社会であり、現実に適応した憲法解釈をしていくべきだ」とも述べている。

 ただ、「宗教関係者は、同性婚やその他のいかなる形式の結婚でも自身の信条に反する場合は、それらを祝福することを強制されるべきではない」とも付け加えている。

 注目されていた「4番目の質問」に関しては、最高裁は結局、答えることを拒否したことになる。「4番目の質問」とは、今年前半に、クレティエン元首相の後を継いだポール・マーティン首相率いる新内閣が付け加えて裁判所に再提出した、「結婚が異性愛者間に限られているということが国内の『権利と自由の憲章』に適合しているかどうか」というものだ。この質問は、議会選挙の直前に付け足されたため、約6ヶ月も審問を遅らせる結果となった。同性婚問題が議会選挙の結果に影響を与えないようにするマーティン候補の「戦略」であったともいえる。

 最終的には、判事は「4番目の質問」に答える利点がなく、質問に答えない理由はあらゆるところにあると述べた。

 まず、マーティン首相自体が、裁判所の答えの如何に関わらず、議会に同性婚を合法化する法案を提出する意図があったことを明言していることだ。次に、カナダ5州の州最高裁で(現在は6州+1準州)、同性愛者、異性愛者の両カップルともに結婚できるようになるべきだという判決がすでに出ており、政府がこれらの判決の控訴を見送っていることだ。

 したがって、同性婚はそれらの適用地域では「国法」であり、カナダ市民5人のうち4人に適用されている。最高裁にとって、正反対で、拘束力のない見解を出すことは破壊的である。同様に、「4つの質問」に対する回答は、ただの「勧告」にすぎない性質のものであるから、肯定的な見解を出したとしても「仮想的な効果」しか与えることができないであろう、という旨が述べられた。

 「私たちは皆カナダ人〜完全にかつ皆平等に〜」と、見出しのついたプレスリリースでは、カナダの同性婚の活動家たちは、法廷がポール・マーティン首相とアーウィン・コトラー法相の政治ゲームに引きずりこまれることに抵抗したことを称賛し、「4番目の質問」は、政府によって既に答えが出され認められていたものだった旨を表明した。

 12月9日(木曜日)の発表によって、カナダは、結婚を国家的に定義するという方向に近づいた。皮切りになったのは、人口の多いオンタリオ州で2003年6月に2日間で同性婚が合法化したことだ。ジャン・クレティエン元内閣はその判決への控訴を見送り、その後ブリティッシュ・コロンビア州が数週間の内にそれに続いた。その後ケベック州が、さらにはユーコン準州、マニトバ州、ノバ・スコシア州、サスカチュワン州、がそれに続いた。アルバータ州は同性婚に未だに反対している唯一の州である。議会が先制打を加えないかぎり、アルバータ州以外の州では州最高裁を通じて同性婚の法制化がされるものだと見られている。

 マーティン内閣は早ければ12月か1月にも、カナダ全土において同性婚を合法化する法案を議会に提出し、投票にかけるものと見られている。議会で可決されれば(その可能性はかなり高いと関係筋は推定している)国レベルでの同性婚合法化はベルギー、オランダに続いて世界で3番目になる。

翻訳&記事の解説:Nick
(Nick:東京都在住/翻訳スタッフ)

 

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