米ウォルマート 同性カップルを家族と認定
〜社内規定改正に伴い定義変更〜

by 石田

 米国内最大の雇用者、及び米小売り最大手「ウォルマート・ストアーズ」は、州法で認められている同性の配偶者などを家族に含める、新たな定義を採択した。

 この新たな「近親」の定義は同社が1月26日、米証券取引委員会と共にまとめた従業員の利害問題に関する規定の中に盛り込まれている。

 規定では、従業員が例外的に規定に従わない場合の条項と共に、「従業員はウォルマートの事業利益に機会の許す限り貢献する義務がある。ウォルマートでの仕事で得られたいかなる機会や機密情報をも、従業員個人、または近親の利益の為に使われてはならない」と述べられている。

 そして次に、近親者の定義として「(生まれや養子縁組、結婚、ドメスティック・パートナー制度、シビルユニオン法などの州法または地域法で認められている)配偶者、子、両親、兄弟姉妹、義父母、子の配偶者、義兄弟姉妹を含む」と定めている。

 「人権キャンペーン(HRC)」は、このあまり注目されなかった変化を賞賛した。

 HRC職場プロジェクト(workplace project)の副責任者、ダリル・ハーシャフト氏は「平等な利益が平等な責任と共に保障されることを願うばかりだ。アメリカの中核的雇用者が同性のカップルたちも家族としての責任を共有することを理解していることが示され、励みになった。そのような家族が他の家族のように(責任だけでなく)利益も公平に享受できてこそ初めて(今回の新たな規定は)評価されるものだ」と語った。

 ウォルマート広報担当、ガス・ウィットコーム氏は、今回の規定改正が従業員の利益に対し同様に適用されるのか、また、それが同性婚やシビル・ユニオンに対するウォルマートの見解を示すものなのかというAP通信の取材には答えなかった。

 ハーシャフト氏は、ウォルマートやその他の企業が公平な方針をまだ法により認められてはいない分野にまで広げられるよう、HRCが引き続き後押しをする旨を話した。

 さらに同氏は、「同性カップルの法的認知なしで、雇用者によるドメスティック・パートナー制度のみでは、従業員全ての家族が医療保障や医療休暇といった利益を公平に享受できるようにするには貧弱すぎる」と語った。

 現在、米フォーチュン誌が毎年発表する「世界500社」中、228社(約45パーセント)が従業員の同性ドメスティック・パートナー、または配偶者に対し医療保障制度の適用を認めている。このような企業の数は、500社中21社だった1995年からおよそ10倍に膨れ上がった。ウォルマートと競合する、「コストコ・ホールセール」「ベスト・バイ」「ホームデポ」といった企業は、すでにドメスティック・パートナーに対する医療保障を適用している。

 2003年7月には、ウォルマートは性的指向に基づく差別を禁止する規定を打ち出している。現在、フォーチュン誌「世界500社」の上位10社中、9社が同様の規定を定めており、その中の3社ではさらに従業員を性自認に基づく差別から保護する規定がある。

 「全てのゲイ、レズビアン、バイセクシュアル及びトランスジェンダーの従業員は、その人のありようではなく仕事によって評価されるべきである」とハーシャフト氏は主張した。さらに「ウォルマートをはじめその他全ての企業は、トランスジェンダーの従業員が仕事に関係しない理由によって生計手段を奪われることのないように保護をして欲しい」と強く訴えた。

翻訳&記事の解説:石田 京介
(石田 京介:カナダ在住/翻訳スタッフ)

 

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