スペインで同性婚法が成立
世界で3番目に同性婚を法的に認める国に

 6月30日、スペイン下院は、187対147(棄権4)で同性婚法案を再可決した。この結果、法案は正式に法律となり、スペインは、世界で3番目に同性婚を法的に認めた国となった。この法案は、4月に下院で可決された後上院に回され、先週、保守派が大半を占める上院で否決された。しかし、上院は助言的な位置しか持たず立法の最終決定権は下院に委ねられており、下院で再可決されれば上院の意志に関係なく成立となる。したがって、同性婚法が立法された。

 この法律により、同性カップルが子どもを養子にとることも、お互いの財産を相続することも可能になった。こうした立法は、第一党である社会労働党の積極的な社会改革政策の一部でもある。

 同性カップルは、この法律が公布されると直ちに、政府の公式登録機関において結婚することができるようになる。その日は、早ければ7月1日、遅くとも2週間以内におとずれる、と議会の報道担当官から発表された。

 すでに国家として同性婚を認めている国は、オランダとベルギーで、カナダでも、下院が6月28日に同性婚法を可決し、7月末までには上院でも可決して立法化される見通しである。そうするとカナダは、世界で4番目に同性婚を法的に認める国になる。

 ホセ・ルイス・ロドリゲス・サパテロ首相は投票前に議会に対して「私たちは、(同性婚を認める)最初の国ではなかったが、最後の国にはならないと確信している。レディーズ&ジェントルメン、私たちの後に他のたくさんの国々が続くことだろう。2つの止められない力、自由と平等によって突き動かされているのだから」と演説した。

 さらにサパテロ首相は「これは、法律用語でできた無味乾燥な一節を単に法典に加えた、という話ではない」として、次のように続けた。「言葉の上では小さな変化かもしれないが、何千もの市民の生活にかかわる計り知れない変化をもたらすものだ。私たちは、レディーズ&ジェントルメン、遠くにいるよく知らない人たちのために法律を制定しているのではない。私たちの隣人や、同僚や、友人や、親族が幸福になる機会を拡大しようとしているのだ」。

 サパテロ首相は、社会労働党に加え、地域に根差した小さな政党の支持も得て、今回の得票数を獲得した。2004年4月に社会労働党が選挙で勝ってサパテロ政権ができる前に政権を担当していた民衆党は可決後、サパテロがスペインを分断する無責任な行動をとった、と非難した。

 サパテロ政権は、離婚法の改正や妊娠中絶法の緩和など、ローマカトリック教会に刺激的な方針を打ち出しているが、とりわけ同性婚に関しては、教会はこれまで猛反対してきた。その表れとして6月18日には、同性婚法に反対して、マドリードで十数万人規模の集会が行われ、約20人の司教も参加した。これは20年ぶりの「反政府」的行動だった。6月29日には、「スペイン家族フォーラム」と呼ばれる、聖職者ではないカトリックのグループが、土壇場での抵抗として60万人の署名を添えた嘆願書を議会に提出した。

 しかし、世論調査は、スペイン人が同性婚を支持していることを示している。5月に調査機関によって行われた世論調査では、同性カップルが養子をとることへの支持がほぼ半々だった点を除けば、同性婚へ向けての政府の行動を62%が支持し、反対は30%しかなかった。

記事のまとめ:伊藤

 

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