米カリフォルニア州で同性婚法案が下院も通過
しかし知事は署名拒否を表明

 米カリフォルニア州議会下院は、9月6日夜、同性カップルの婚姻を認める法律「信教の自由と市民の結婚の保護法」をで可決した。1日に上院で可決されたのを受けてのもの。

 法案は、必要な過半数ぎりぎりの賛成41対反対35で可決された(下院は80人)。これによって、カリフォルニア州は議会の手によって同性婚法が作られた全米で最初の州になった(マサチューセッツ州は最高裁命令)。

 投票は昼間、2度も延期され、その間に多数派工作が懸命に行われ、ぎりぎりの時間で可決に至った。この法案はもともと、昨年12月にマーク・レノ下院議員(サンフランシスコ選出・民主党/ゲイであることをカミングアウトしている)が提案したもので、6月の下院議会において4票差で否決された。しかしマーク議員はあきらめず、法案をそれを通過しやすく改めて再提出した。

 多数派工作の中心にいたマーク議員は「(この立法によって)カリフォルニア州における全ての家族が、法の下に平等な擁護を受ける」と説いて回った。他の民主党議員も「差別と偏狭さに終止符を打とう」「寛容と平等と公正さこそ追求されるべきだ」と強く語った。特に前回の投票で決心がつかず棄権した民主党の議員へは、熱心な説得を続けた。投票の瞬間までためらった議員もいたという。1人でも足りなかったら否決されていたので、議会内外のよろこびもひとしおだった。

 一方共和党員たちは、2000年に州民投票で承認された「提案22」(州外で行われた同性婚を州内では認めない)に基づき、「伝統的な異性間の結婚こそが子どもたちにとってベストだ」などと同性婚に反対した。

 「平等を求めるカリフォルニア」(Equality California) のジェフリー・コース代表は「愛が恐怖を、原則が政治戦略を、平等が不公正を超えた」と語った。そして、同性カップルが結婚許可書を得られないという差別を終わらせ、何十万という州内の家族にから差別の重荷を取り除くために、シュワルツェネッガー州知事に法案への署名を強く要求した。


 これに対し、シュワルツェネッガー州知事は7日夜、報道官を通じて、法案への署名を拒否するつもりだ、という声明を出した。それによると、今回の法案は「提案22」と相容れないし、「提案22」を承認した人たちの意思を尊重して、署名を拒否するのだという。また、同性カップルの権利は擁護されねばならないが、この問題は立法でなく、裁判所の決定か州民投票で決められるべきだ、とも述べた。

 マーク議員をはじめ州のLG団体は、「同性愛者を『売った』」「子どもたちは明日、両親が法の下で見知らぬ人になってしまうのではと不安に思っている」「市民権運動を完全に終わらせる(=ターミネイトする)」などと猛反発しており、保守勢力や宗教団体からの圧力が背後にあると見ている。

 シュワルツェネッガー州知事は、何度かゲイ・フレンドリーな発言をしてきており、州最高裁が同性婚を認めたなら、自分も認める、と言ってきた。今年3月にサンフランシスコ裁判所は、同性婚を禁じているのは憲法違反であると判決しているが、上訴されており、州最高裁がいずれ判断を出すことになる。

 各LG団体は、知事のオフィスに署名をするよう電話や e-mail を送る運動を始めた。知事が署名するかしないかの決断は、30日以内となっており、その間に知事が翻意するかが焦点となる。ちなみに、送り先のアドレスは、governor@governor.ca.gov となっている。

記事のまとめ:伊藤

 

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