エルトンジョン、ファーニッシュさんと
シビル・パートナーシップを結ぶ式典

 イギリスでもっとも有名な同性カップル、エルトン・ジョン卿(58歳)とデービッド・ファーニッシュさん(43歳)[カナダ出身の映画制作者]は12月21日、5日に施行された「シビル・パートナーシップ法」に基き、国中が期待して見守る中で、契りを結ぶ式典を行った。

 ファンたちは、夜明け前からウィンザー市役所周辺の丸石が敷いてある通りに集まり始めた。この市役所はチャールズ皇太子とカミラ・パーカー・ボウルズが4月に結婚した場所でもある。

 式典を終えて、紫色のメガネと黒いスーツを着たエルトンがデービッドと腕を組み、群衆に手を振りながら市役所を出てくると、たくさんのカメラのフラッシュが光った。

 ふたりは、黒いロールスロイスに乗り込んで、700人以上の客が招かれている派手な披露宴ヘと向かった。

 「驚嘆すべきすばらしいことだと思います」と、何十人もの見物人のひとりティム・アルコックさん(43歳)は語った。

 トニー・ブレア首相は記者会見で、カップルの前途がうまくいくことを願い、新しく生まれた法的権利を行使することを祝福した。

 同性愛者の人権擁護活動を進めてきたアクティビストたちは、「シビル・パートナーシップ法」の実現を画期的な出来事として評価している。

 ゲイ/レズビアンの人権擁護団体「OutRage!」のスポークスマン、ピーター・タッチェルさんは「今回の“結婚式”は、同性愛者が愛し合い、関係を創っていくという側面を向上させることになるでしょう。同性であるふたりがシビル・パートナーシップを結ぶ式典は、世界中で報道され、その中には、通常、同性愛に関する話題が決してニュースとして報道されない国も含まれるでしょうから。それが、孤立していて攻撃されやすい何百万人のレズビアン/ゲイ、とりわけ抑圧的で同性愛嫌悪に満ちた国々に住む人たちに希望を与えることになります」と述べた。

 新法は、同性カップルに対して、社会保障・税・年金・相続に関して、結婚している異性カップルとほぼ同様の権利を与える。

 エルトン・ジョンのパートナー、デービッド・ファーニッシュさんは、1996年に発売されたエルトンのドキュメンタリー・ビデオ“Tantrums and Tiaras”[「かんしゃくとティアラ」]を撮影していたことでよく知られている。すでにふたりの付き合いは、12年になる。

 デービッドさんは「私としては、自分が常にエルトンといいかかわりを持ち続けてきたと考えています。彼は、私が一生共にすごしたいと思うパートナーです。ですから、その意味で、私たちの関係を突き動かしている力が変わる気はしません。しかし、社会的見地からすれば、とてつもなく重要なことで、大きな、大きな変化であり、現代の課題のひとつです」と語っている。

 ふたりとも、今回の式典がより広く影響を与えていくだろうと、受け止めている。

 ふたりは、式典後、ふたりの家族とともに昼食をとり、披露宴に臨んだ。披露宴はおよそ175万ドルかかったと推計され、エルトンの所有するウインザーの邸宅の庭に立てられた2つの巨大なテントには、何百人もの有名人のお客たちにピンクのシャンペンやラムが供された。

 派手さを抑えた式典の方は、エルトンの母・シーラさんと継父・フレッドさん、カナダから飛行機で駆付けたデービッドさんの両親・グラディスさん&ジャックさんなど、家族と友人たちの出席で、小規模に行われた。

 その友人のひとり、美術商のジェイ・ジョプリンは、式典は「他のカップルと大差なかったよ、ふたりは最後にキスをした。とってもとっても幸福そうだった」と式典の様子を話した。

 式典前の19日に行われた「バチェラー・パーティ」[独身最後のはめをはずすパーティー]には、オジー・オズボーンと彼の妻・シャロン、モデルで女優のリズ・ハーレー、ブライアン・アダムズ、ゲイリー・バーロー、キッド・ロックなどが集まった。

 エルトン・ジョンは、故・ダイアナ妃とも親交があり、1998年にはイギリス王室からナイトの称号を授かっている(それでサー・エルトン・ジョン=エルトン・ジョン卿と呼ばれる)。彼はこの名誉を、自分の何十年にもわたる経歴の中の頂点だ、と述べている。

 同じ21日、各地で同性カップルが式典を挙げた。俳優のサー・アントニー・シェール(56歳)とグレッグ・ドラン(47歳)はロンドン北部のイズリントンで式を行った。イギリスの同性愛者の首都といわれる南海岸のブライトンでは、午前8時に役所が開くやいなや、3組のカップルが駆け込んで式典の手続きをした。

 現在、同性婚を認めている国は、オランダ、ベルギー、スペインとカナダの4ヶ国で、1年以内にこれに南アフリカ共和国が加わる。イギリスと似たシビル・パートナーシップを保障しているのは、ドイツ・フランス・スイスなどの国々になる。

 米国では、マサチューセッツ州だけが同性婚を認めており、ヴァーモント州とコネティカット州がシビル・ユニオン[シビル・パートナーシップと同じ]制度を持っている。カリフォルニア州のドメスティック・パートナーシップもほぼ同じ機能を持つ。

 

記事のまとめ:伊藤

 

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